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小金沢智編著『歌は待っている 風と土と「ひとひのうた」と』(モ・クシュラ、2025年5月)刊行のお知らせ

歌は待っている
あなたのことを
 
歌は待っている
山の
雲の中から降りても
​

(小金沢智「待っている」より一部抜粋)
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⚫︎会期を終えた展覧会と、本を通して〈新しく〉〈何度でも〉出会うために

このたび、小金沢智編著『歌は待っている 風と土と「ひとひのうた」と』(モ・クシュラ、2025年5月)を刊行いたします。

『歌は待っている 風と土と「ひとひのうた」と』は、2024年9月、山形県山形市の蔵王温泉と東北芸術工科大学を舞台に開催された「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2024」(主催:東北芸術工科大学)で行われた周遊型展覧会「ひとひのうた」を起点とする一冊です。


2章仕立ての構成で、12組のアーティスト(浅野友理子、池上恵一、伊藤紺、斎藤茂吉、渋谷七奈、管啓次郎、春原直人、永岡大輔+濱定史、原田綾乃、前野健太、大和由佳、山本桂輔)による展覧会のドキュメント(文:小金沢智、写真:三浦晴子、岡安賢一)を中心にしながら、企画したキュレーター・小金沢智による、日記(「日記のような六〇の出来事」)、開催後の各展示についてのエッセイ(その後の「展覧会制作ノート:まだ見ぬ空間の未来・イメージについて」)、歌(「待っている」)の書き下ろし。さらに、岡崎直子氏(高砂屋旅館女将)、平野篤史氏(デザイナー/AFFORDANCE)、前野健太氏(シンガーソングライター)、大和由佳氏(アーティスト)ら4名とキュレーターとの対談(「いくつもの「うた」の響き」)の新規収録、キュレーターによる蔵王温泉の土地と歴史をめぐるエッセイ(「山形ビエンナーレ2024指摘随想録」)2編の再録など、本書では、展覧会のドキュメントであると同時に、展覧会のテーマを「本」というメディアを通して新しく・再び・つくることを目指しました。

そのため、本書は制作中に生まれたフレーズ「歌は待っている」を書名とし、その書体は書体デザイナー・岡澤慶秀氏の作字。そして、写真家・吉江淳氏の蔵王の残雪を撮った写真を表紙をはじめとするメインビジュアルとして使わせていただきました。装丁は、岡本健+氏、編集は、モ・クシュラ代表の大谷薫子氏です。

A5判変型のコンパクトな本書は、特製の外函に入っています。函に収めたままでも、中身だけでも、お好きなように持ち運びいただいて、お読みいただきたいと願っています。限定800部。ぜひ、お手にとってご覧ください。

​小金沢智


*本書は、ダンスパフォーマンス「ひとひのパレード 〜茂吉と空と女将のうた〜」は収録しておりません

⚪︎みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2024

東北芸術工科大学が主催し、2014年から隔年開催している芸術祭。第6回目となる2024年は、9月1日から16日までの約2週間、「いのちをうたう」をテーマに、蔵王温泉(山形県山形市)と東北芸術工科大学を会場に、4つのプロジェクト(周遊型展覧会+パフォーマンス「ひとひのうた」、アートイベント「山と土と茶と」、展覧会「現代山形考」、学び&ワークショップ企画「夏芸大」)が開催された。芸術監督は医師の稲葉俊郎氏。小金沢智は総合キュレーターを務めた。
公式ウェブサイト
みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2024
みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2024 周遊型展覧会+パフォーマンス「ひとひのうた」

⚫︎本書の見どころ

1. 「うた」をテーマに視覚表現と言語表現が展開する、新しい展覧会の可能性の提案
本書に収録する12組のアーティストによる周遊型展覧会「ひとひのうた」は、山形ビエンナーレ2024のテーマ「いのちをうたう」を表現することを目指して開催した展覧会です。舞台である蔵王温泉にゆかりのある歌人・斎藤茂吉(1882-1953)からインスピレーションを得て、美術家だけではなく、歌人、詩人、シンガーソングライターに参加を依頼し、視覚表現と言語表現がともに展開することによる、新しい展覧会の可能性を模索・提案しました。展覧会のキュレーターで本書の編著者である小金沢智は、美術館と図書館の複合施設である太田市美術館・図書館(群馬県)で、「ことばをながめる、ことばとあるく
—--詩と歌のある風景」(2018年)などを企画、視覚表現と言語表現をひとつの展覧会でともに展開することで表出されるものの豊かさを、複数の展覧会の実現(*)を通して深めてきました。
*開館記念展「未来への狼火」(太田市美術館・図書館、2017年)、開館3周年記念展「HOME/TOWN」(太田市美術館・図書館、2021年)など


2. 開湯西暦110年の温泉地・蔵王温泉の屋内外各所で開催された展覧会の模様を、風景を周遊するように構成・収録
周遊型展覧会「ひとひのうた」は、2024年9月、蔵王温泉と東北芸術工科大学(いずれも山形県山形市)を舞台に開催された山形ビエンナーレ2024内での展覧会です。山形ビエンナーレは2014年から東北芸術工科大学主催で開催している芸術祭ですが、6回目となる今回はじめて、開湯西暦110年の温泉地・蔵王温泉を舞台に実施されました。冬の蔵王温泉はウィンタースポーツのメッカであり、樹氷でも世界的に知られ、多くの観光客が毎年訪れていますが、グリーンシーズンの蔵王は決して広く知られていません。本書では、グリーンシーズンの蔵王温泉を中心に、屋内6ヶ所、屋外22ヶ所で開催された展覧会を、青々とした美しい蔵王温泉の風土の風景とともに、まるで現地を周遊しているかのようにページを構成・収録しました。

3. 一冊の本を通して、展覧会と新しく、何度でも出会う
本書の収録内容は、一般的な展覧会の図録とは少し異なっています。展示作品・展示風景はもちろん含んでいますが、キュレーターによる開催に至るまでの2年弱の期間の日記や蔵王温泉の風土をめぐるエッセイ、キュレーターとシンガーソングライター・前野健太氏、デザイナー・平野篤史氏、アーティスト・大和由佳氏、蔵王温泉の旅館の女将・岡崎直子氏らとの対談なども収録しました。さらに、キュレーターによる歌も、本書のために書き下ろされています。編著者(小金沢智)、編集者(大谷薫子)、装丁家(岡本健+)の三者が、ドキュメント(記録)やカタログ(目録)という視点にとどまらず、「展覧会を本にまとめるということはどういうことか?」と問いながら、一冊の本を通し、読者が展覧会と新しく、何度でも出会うことを目指して制作したためです。そのため、書名は展覧会名と同一ではありません。書名の『歌は待っている』とは、前野健太氏にうながされ、編著者の小金沢智が書いた歌「待っている」に由来します。
*本書は、特製の外函が付属しています
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⚫︎発行にあたっての、少し長いいきさつ

本書刊行にあたってのいきさつを、noteにまとめました。8,000字ほどの長さですが、制作経緯、編集方針、構成・仕様、ブックデザイン、販売・流通についてなど、本書の全容を可能なかぎり詳述しています。ぜひ、こちらからご一読ください。
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⚫︎目次

展覧歌「待っている」
 
オープニング——歌は待っている
 
1章 「ひとひのうた」は、風とともに、土とともに、人とともに 
 
日記のような六〇の出来事
周遊型展覧会「ひとひのうた」ドキュメント
未明……稲葉俊郎
未明——あちらとこちらのあわい……斎藤茂吉、管啓次郎、春原直人、山本桂輔
朝……稲葉俊郎
朝——生まれ、目覚める……池上恵一、原田綾乃、山本桂輔
朝——おはよう……渋谷七奈
昼……稲葉俊郎
昼——流れゆく時間……浅野友理子、春原直人、管啓次郎、大和由佳
夜……稲葉俊郎
夜——眠り、生まれ直す……永岡大輔+濱定史
夜——おやすみ……渋谷七奈
蔵王うたのみち……伊藤紺、前野健太
作品リスト
その後の「展覧会制作ノート:まだ見ぬ空間の未来・イメージについて」
作家プロフィール
周遊型展覧会「ひとひのうた」概要
山形ビエンナーレ2024私的随想録


2章 「ひとひのうた」が終わっても
 
いくつもの「うた」の響き
蔵王温泉の女将のうた 岡崎直子×小金沢智
感情が溢れて歌になる 前野健太×小金沢智
ギリギリのところに人間の琴線が触れる 平野篤史×小金沢智
土地や人と出会うこと、つくることが私たちを変えていく 大和由佳×小金沢智
[表紙]吉江淳《蔵王山02》解説 
[展覧歌]小金沢智「待っている」自作解説
 
エンディング——作品や風景と何度でも出会うために

⚫︎概要

歌は待っている 風と土と「ひとひのうた」と
2025年5月14日 初版発行

編著 小金沢智
装丁 岡本健+(岡本健事務所)
編集 大谷薫子(モ・クシュラ)
 
表紙・章扉:写真 吉江淳
表紙:作字 岡澤慶秀
 
印刷製本 株式会社シナノ
発行 モ・クシュラ
所在地 231-0014 神奈川県横浜市中区常磐町2-10 常磐不動産ビル207
     http://mochuisle-books.com/
電話 045-306-5819
 
判型 A5判変型(天地200mm×左右148mm×厚さ23mm)
仕様 288ページ[カラー:144ページ、モノクロ:144ページ]/上製本(PUR製本)/外函付
初版 800部
定価 6,000円(税別)

⚫︎編著者

小金沢智(こがねざわ・さとし)
キュレーター/東北芸術工科大学芸術学部美術科日本画コース准教授、美術館大学センター研究員。1982年、群馬県生まれ。2008年、明治学院大学大学院文学研究科芸術学専攻博士前期課程修了。専門は日本近現代美術史、キュレーション。世田谷美術館、太田市美術館・図書館の学芸員を経て現職。「現在」の表現をベースに据えながら、ジャンルや歴史を横断するキュレーションによって、表現の生まれる土地や時代を展覧会という場を通して視覚化することを試みている。近年の主な仕事に、「みちのおくの芸術祭 山形ビエンナーレ2024」総合キュレーター。 
www.koganezawasatoshi.com/

⚫︎装丁家

岡本健+(おかもと・つよし ぷらす)
エディトリアルデザイナー。1965年、大阪市生まれ。大阪市立工芸高校図案科を卒業後、日下潤一氏のBグラフィックスにお世話になるが半年でドロップアウト。その後、上京し音楽系のデザイン事務所を経て、1994~2002年まで中垣デザイン事務所勤務。2005年、有限会社岡本健事務所を設立。主な仕事として広島市現代美術館 リニューアルオープン記念特別展「Before/After」会場グラフィック、展覧会告知。新生タイポ・プロジェクトとして作家としても参加。森美術館『地球がまわる音を聴くパンデミック以降のウェルビーング』展カタログ。写真集『風をこぐ』橋本貴雄(モ・クシュラ)など。多摩美術大学彫刻学科非常勤講師。著書に、『「あなたが噛んだ」唄おぅ』(モ・クシュラ、2023年)がある。
www.okamoto-plus.com/

⚫︎編集者

大谷薫子(おおたに・かおるこ)
編集者、個人版元のモ・クシュラ株式会社代表。明治学院大学文学部芸術学科で映像学を学ぶ。最終的な関心は、タルコフスキーとC.Dフリードリヒ、共同体なき後の救済について。卒業後、フィルムアート社(四谷)で編集の下積み時代を過ごす。2011年、横浜美術館での高嶺格「とおくてよくみえない」展の展覧会カタログの制作で編集の仕事に目覚め、2012年に独立。小野博『世界は小さな祝祭であふれている』、アサダワタル『表現のたね』、『蔡國強展:帰去来』、橋本貴雄『風をこぐ』、岡本健+『「あなたが噛んだ」唄おぅ』など出版。
mochuisle-books.com/

⚫︎ご購入方法(情報更新:2025年5月21日)

本書は、主に編著者(小金沢智)からの直販(BASE)によって販売し、お取り扱いいただいている書店・ショップでもご購入いただけます。委託販売をご希望の際は、取次経由の場合はツバメ出版流通さままで、直取引の場合は小金沢までお問い合わせください。そのほか、何かご不明なことやお尋ねなどがございましたら、モ・クシュラまたは小金沢までお問い合わせください。
① 直販(BASE)
​*2025年5月21日10時より販売しています
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② 書店・ショップなど(随時更新)
*販売開始時期は、書店・ショップによって異なり、5月下旬から随時の予定です

*営業時間・定休日などはそれぞれの書店・ショップのWEBサイトからご確認ください

⚫︎山形県
TUAD STORE 
〒990-9530 山形県山形市上桜田3丁目4番5号 東北芸術工科大学 学生会館1階 www.tuad.ac.jp/about/studenthall/store/
ペンギン文庫 〒990-0043 山形県山形市本町1-5-19 やまがたクリエイティブシティセンターQ1 1-B yamagata-q1.com/floor/1b.php

⚫︎宮城県
塩竈市杉村惇美術館 〒985-0052 宮城県塩竈市本町8番1号 https://sugimurajun.shiomo.jp/
ビルドフルーガス 〒985-0016 宮城県塩竈市港町2-3-11 ※ 仙台湾燻蒸株式会社 同建物内 https://birdoflugas.com/


⚫︎群馬県
Coffee&Things Oh! 〒373-0026 群馬県太田市東本町16−30 太田市美術館・図書館 1階 www.coffee-things-oh.jp/

⚫︎神奈川県
MYNATE
 〒220-0012 神奈川県横浜市西区みなとみらい3-4-1 横浜美術館 https://yokohama.art.museum/facility/shop/
*お取り扱いを希望される書店、ショップさま
ツバメ出版流通より各取次経由でお届けいたします。
tel 03-6715-6121. fax 03-3721-1922
担当:川人(かわひと)さん
tsubamebook.com


※本書は、基本、買切でのお取り扱いをお願いしております。
お問い合わせは、モ・クシュラHPまでご連絡ください。
担当:大谷(おおたに)さん
mochuisle-books.com/
*お問い合わせ
​小金沢智HPの「Contact」より、ご連絡ください。

⚫︎掲載メディア

・展覧会と出会いなおす一冊。『歌は待っている 風と土と「ひとひのうた」と』が刊行
ウェブ版「美術手帖」 2025年5月14日
 bijutsutecho.com/magazine/news/headline/30712