KOGANEZAWA SATOSHI
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7/28/2015

 
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世田谷美術館 宮本三郎記念美術館で開催されていた2015年度第1期収蔵品展「宮本三郎の美術史教室」が昨日7月25日(日)で終了しました。

私が契約満期でセタビを退職したのは3月末ですが、最後に担当した展覧会がこの展覧会で、この展覧会が終わって、ああここでの仕事が終わったんだなぁと思いました。

わずか155㎡の展示室は、たとえば世田谷美術館1階の展示室と比べると、約7分の1の大きさです。展示スペースとしても、予算規模としても、1日数千人がおしかけるような大掛かりな展覧会が可能な場所ではありません。

しかしそのことに対する不満ではなく、ではそのなかで何ができるか考えることが重要だと気づきをもらった場所でした。学芸員一人で展覧会を作ることができるのではなく、輸送・展示や造作、広報物の制作、そして会期中常に現場にいて来館者と応対する職員など、全員でひとつの展覧会であり美術館のムードができるものだと知りました。また、常にいるわけではない私でも、規模が小さい分来館者との距離が近く、ギャラリートークや各種講座で顔見知りになる方もいました。それこそ幼稚園児から年配の方まで。名前は知らなくても、退職して数ヶ月経つ今なお思い出す人たちが何人もいて、お元気だろうかとふと考えたりします。そして講座では、たくさんの作家や研究者、関係者の方々に助けてもらいました。物故作家の個人美術館だからこそ、彼の研究はもちろん、今生きる人たちと仕事を一緒にして活性化することが使命だと思っていました。ありがとうございました。

世田谷美術館という大きな美術館に勤めて、主な担当として分館 宮本三郎記念美術館の展覧会と教育普及活動を約5年間担当して、世の中や美術のシーンに対する影響力という点ではそれは非常にささやかですが、ここでの経験と、もっといえば宮本三郎という画家との出会いが、そして彼を起点にはじまった人たちーー死者も生者もーーとの出会いが、今、とても大事なものになっていて、それはこれから仕事をしていく上でひとつの大きな精神的基盤になっていくだろうと思います。

だから無礼を承知で最後にこう言ってみたい。

ありがとう宮本三郎。あなたに会えてよかった。



写真:『宮本三郎の仕事 その眼差しと時代』(編集:橋本善八、小金沢智)、編集協力:小松市立宮本三郎美術館、デザイン:森重智子(美術出版社)、制作:美術出版社、印刷:大日本印刷株式会社、発行:世田谷美術館、発行日:2014年3月20日)


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