KOGANEZAWA SATOSHI
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7/31/2015

 
2015年、早くも8月ですね。

4月に美術館を退職してからいわゆる定職についていない自分は、当初、どこかふわふわとしていて足元がおぼつかない感じがあり、自分で足元を、背筋を、しっかりとしなければどこにも立つことができないと改めて気づくことからこの春をはじめました。

その間、近づいた人もいれば、遠のいた人もいて、それは環境のせいでもあり、自らのせいでもあり、その中で「あなたは誰か?」と、人からも尋ねられ、また、なによりそう自問する毎日であったような気がします。いつも違うことを言っているような思いがぬぐえ切れず、明確に答えは出ませんが、それはそもそも出ないものなのかもしれないと最近は考えはじめています。その中でもこの感情や体が何かに触れて動くということだけが大事なのではないかと。

無料で使っていたこのweeblyのサービスでしたが、やっとドメインを取得しました。

http://www.koganezawasatoshi.com/

暑くてクラクラする毎日で、ひとつでもすっきりした夏のはじまりです。

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7/28/2015

 
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世田谷美術館 宮本三郎記念美術館で開催されていた2015年度第1期収蔵品展「宮本三郎の美術史教室」が昨日7月25日(日)で終了しました。

私が契約満期でセタビを退職したのは3月末ですが、最後に担当した展覧会がこの展覧会で、この展覧会が終わって、ああここでの仕事が終わったんだなぁと思いました。

わずか155㎡の展示室は、たとえば世田谷美術館1階の展示室と比べると、約7分の1の大きさです。展示スペースとしても、予算規模としても、1日数千人がおしかけるような大掛かりな展覧会が可能な場所ではありません。

しかしそのことに対する不満ではなく、ではそのなかで何ができるか考えることが重要だと気づきをもらった場所でした。学芸員一人で展覧会を作ることができるのではなく、輸送・展示や造作、広報物の制作、そして会期中常に現場にいて来館者と応対する職員など、全員でひとつの展覧会であり美術館のムードができるものだと知りました。また、常にいるわけではない私でも、規模が小さい分来館者との距離が近く、ギャラリートークや各種講座で顔見知りになる方もいました。それこそ幼稚園児から年配の方まで。名前は知らなくても、退職して数ヶ月経つ今なお思い出す人たちが何人もいて、お元気だろうかとふと考えたりします。そして講座では、たくさんの作家や研究者、関係者の方々に助けてもらいました。物故作家の個人美術館だからこそ、彼の研究はもちろん、今生きる人たちと仕事を一緒にして活性化することが使命だと思っていました。ありがとうございました。

世田谷美術館という大きな美術館に勤めて、主な担当として分館 宮本三郎記念美術館の展覧会と教育普及活動を約5年間担当して、世の中や美術のシーンに対する影響力という点ではそれは非常にささやかですが、ここでの経験と、もっといえば宮本三郎という画家との出会いが、そして彼を起点にはじまった人たちーー死者も生者もーーとの出会いが、今、とても大事なものになっていて、それはこれから仕事をしていく上でひとつの大きな精神的基盤になっていくだろうと思います。

だから無礼を承知で最後にこう言ってみたい。

ありがとう宮本三郎。あなたに会えてよかった。



写真:『宮本三郎の仕事 その眼差しと時代』(編集:橋本善八、小金沢智)、編集協力:小松市立宮本三郎美術館、デザイン:森重智子(美術出版社)、制作:美術出版社、印刷:大日本印刷株式会社、発行:世田谷美術館、発行日:2014年3月20日)

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7/25/2015

 
今週末、下記のふたつの展覧会のトークイベントに出演しますのでお知らせします。

◼︎第4回「座の会」展 座2015
会期:2015年7月25日(土)〜8月5日(水)10時〜18時30分 ※7月30日(木)は休館、最終日は15時まで
場所:O美術館(東京都品川区大崎1‐6-2 大崎ニューシティ2号2F)
アクセス:JR線・りんかい線大崎駅(北改札口・東口)下車徒歩1分、東急バス(大井町駅ー渋谷駅)大崎駅下車徒歩1分
出品作家:尾長良範、金子健一郎、亀井三千代、小谷里奈、小林努、白崎彩子、神保千絵、菅原有生、鈴木敬三、高岡暁、高田研二郎、竹川リサ、豊田正秋、中村絵里子、西野正望、広田郁世、野崎慎、羽田雄貴、馬籠伸郎、間島秀徳、松本俊喬、宮島弘道、八木幾朗、米谷清和
内容:20~70代の幅広い世代が独自の日本的絵画を模索するグループの第4回展。
日本画をはじめ墨画、漆絵等、多様な素材、技法を駆使した大画面を展開する。
www.shinagawa-culture.or.jp/o_art/

7月25日(土)15時〜17時、出品者の方々と小金沢でトークを行います。

◼︎「−精霊・神仏奇譚−金子富之展」
会期:2015年7月22日(水)〜8月10日(月)10時〜18時 会期中無休
場所:日本橋髙島屋美術画廊x(東京都中央区日本橋2-4-1)
アクセス:JR東京駅八重洲北口から徒歩5分、東京メトロ 銀座線・東西線日本橋駅B2出口、都営地下鉄 浅草線日本橋駅から徒歩4分
内容:妖怪や奇想の生物を描く日本画家 金子 富之先生の日本橋高島屋X画廊において3回目となる個展です。
金子先生は文化庁海外研修員に内定し、9月よりカンボジアに行く直前の開催となり、画業の中でも節目となる個展として、これまでの金子先生の全貌を一堂に展覧します。
http://www.takashimaya.co.jp/tokyo/event3/#os4567

7月26日(日) 14時〜、金子富之さん、文芸評論家の東雅夫さん、小金沢でトークを行います。
展覧会リーフレットでは15時からとなっていますが、14時からとなりますのでご注意ください。

ぜひご来場ください。

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7/13/2015

 
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先月末、宮城県、山形県、福島県と二泊三日で行ってきました。もともと、積極的に外に出て行く性格ではないのですが、「あそこで見たい展覧会をやっている」というだけで、学生の頃から夜行バスを主な交通手段に日本各地へ行っていたのが、大学院を出て9年が経つ今でも続いています。新幹線が使えたらそれはそれで素晴らしいのですが、金銭的にどうしても難しく、しかし、夜行バスで朝知らない町に着き、まだ眠っている町を散策するというのはそれはそれで非常に得難い経験です。「行きたい美術館がある」「見たい作品がある」ということが、結果的にその町を知るひとつの大きなきっかけに、私の場合はなっています。それがなかったら、あそこにもあそこにも、行くことはなかったのかなと思うし、人はもちろん、美味しい食べ物やお酒との出会いもなかったのでしょう。

ということで、昼行バスで新宿から向かった初日は宮城では宮城県美術館の「杉戸洋 天上の下地」展を観覧、その後山形に移動し夜は東北芸工大で先生をしているMさん夫婦・Kさんと飲み、二日目は日本画家・金子富之さんのアトリエはじめお住い周辺の美術館や面白スポットを、その後移動し夜は福島の喜多方に泊まり、三日目朝は喜多方ラーメンを食して昼行バスで帰る、ということをしてきました。金子富之さんは、昨年福島の「森のはこ舟アートプロジェクト」でトークに呼んでいただき、今月22日(水)から8月10日(月)まで日本橋髙島屋美術画廊xで開催する個展でもトークイベントに呼んでいただいている、という縁があります。話を聞くと、住むのはきっと大変なのだろうと思いますが、かわいい猫と同居する、素敵なお住いとアトリエを見せていただきました。トークの日程は追ってここでお知らせします。

普段馴染みのない土地へ行くと、そこが日本国内でも、驚くような未知のものに出会うことがあります。写真や人からの情報で知ったつもりになるのではなく、実際に自分の肉体をその場所に投じること。自分の足と目を使うのだということ。写真をアップした高畠石採石場(山形県高畠町安久津)は、今回その最たるものだったのですが、そういう「未知のもの」「わからないもの」を知ることが、自分にとっての「世界の広さ」を抽象的なレベルではなしに具体的に拡張させるところがあって、やめられません。次はどこへ行こう。



写真の後ろ姿は金子富之さん。


上山市では、漆工芸や刀剣のコレクションを持つ個人美術館・蟹仙堂もおすすめ。
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7/6/2015

 
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今年の5月から美学校の超・日本画ゼミで講師をしています。超・日本画ゼミは、間島秀徳さんを講師に、2012年春に開講した日本画を学ぶ講座で、実践的な絵画原理の探求を目指す場です。詳しくはこちら。

超・日本画ゼミ(実践と探求) 間島 秀徳 + 小金沢 智
http://bigakko.jp/course_guide/pict_sculpt/nihonga/info

私は間島さんにお声がけいただいて、美術史を研究する立場から講義を行っているのですが、日本画の話だけしているわけではありません。前回の講義では、内海聖史さんの作品を教材のひとつに使わせていただいたので、ここで紹介したいと思います。

当日はまず、六本木ヒルズのA/D Galleryで開催中の内海さんの個展「moonwalk」見学に行き、その後美学校の教室に戻り、私が以前購入して所有している《色彩の下》を見てもらいました。7/12(日)まで展示中の《moonwalk》(oil on canvas 2015年)は、10000×760mmという巨大な作品で(ただし、今回、縦10000mmで展示はされていません)、一方《色彩の下》(oil paints,cotton 2009年)は、5×5cmの、私の手のひらを少しはみ出すくらいの小さな作品(掲載写真)。


日本画でも、床の間芸術、会場芸術(川端龍子)、卓上芸術(鏑木清方)という言葉があるように、空間と絵画との関係をどう考えるか、作品のサイズとは、スケールとは…と考えることは非常に大事なことだと思います。とはいえ、この観点から龍子と清方の作品を比較して同時に見ることは難しいので、どうしようかと思っていたのですが、そうだ、内海さんが今やっているじゃないか! と。

ちょうど美学校の壁面にビスが打ってあったので、展示した様子もアップします。既存のビスを使っているので、作品に対して出ている部分が長すぎて、絵がちょっと浮いていますね。美学校事務局の「思いやりの心を持って作業しよう。」がいい感じです。
絵画は基本的に壁がなければ展示できませんが、しかし壁さえあればそこが美術館やギャラリーでなくても展示できるという意味で、自由だなと思いました。

なお、《moonwalk》はA/D Galleryで7/12まで見ることができますので、ぜひ実見されることをおすすめします。
詳細は内海さんのブログからどうぞ。

色彩の下
http://uchiuminfo.exblog.jp/

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