休日なので散歩して買い物。最近、浦沢直樹『20世紀少年』を買い直して読み返している。この物語はウィルスと権力の集中がテーマになっていたのだった。1999年から2007年にかけて連載され、当時から見た近未来としての2000年代、2010年代の描写が興味深い。回顧と復古の対象として大阪万博が「再演」され、それが期限なく「毎日」開かれているなど、感染症がどうであれ五輪を開催したいのだろうあんと思わせる、現在の政治家や企業のことが思い浮かんで失笑してしまう。そしてワクチンを巡っての殺し合い、差別。連載当時フィクションとして読んでいたが、いま読み返すとなんとも言えない気持ちになる。物語の序盤における「俺たちは今、あの頃夢見たような大人になっているだろうか」という台詞が、いまも昔も自分を見つめ直す鏡のような言葉として反射する。
|
koganezawa satoshi・日々のこと Archives
August 2020
Categories |